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井上ひさしは握手・ナインが代表作?教科書にも使用!ひょっこりひょうたん島?

放送作家であり直木賞作家の井上ひさしさんをご存知でしょうか。代表作は教科書にも掲載された「握手(ナイン掲載)」などがあります。井上ひさしさんの経歴や家族(長男など)、代表作「握手(ナイン掲載)」、さらに遺族抗争が勃発したいきさつをご紹介します。

直木賞作家 井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?

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軽妙な文体で悲劇を喜劇作品の変えてしまう小説家・井上ひさしさんの代表作や直木賞を受賞した小説をご紹介します。井上ひさしさんは2010年に亡くなりましたが、死後に遺族間での抗争が勃発していました!

井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?【プロフィール】

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井上ひさし(いのうえ)さんは1934年11月17日、山形県東置賜郡に生まれました。文学少年だった父を持ち、多くの小説を読みあさっていました。兄弟についての情報がないため、井上家の長男として誕生したと考えられます。
「小松滋」の筆名で書いた小説「H丸傳奇」が「サンデー毎日」の「第17回大衆文芸新人賞」に入賞するなど当時から文才がありました。上智大学卒業後、放送作家として活動しました。その後、人形劇「ひょっこりひょうたん島」を手掛けるなど、人気放送作家として躍進します。

アニメ「ムーミン」のテーマ曲を書いてレコード大賞を受賞!

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1970年、フジテレビ系列で放送していたアニメ「ムーミン」の主題歌「ムーミンのテーマ」で「第12回日本レコード大賞」童謡賞を受賞しました。井上ひさしさんは放送作家として作品を手掛ける一方、作詞や舞台の戯曲などマルチな才能を発揮していきます。

「直木賞」など数々の文学賞を受賞

放送作家として作品を手掛ける一方、小説家としても執筆活動に励んでいきます。1972年には小説「手鎖心中」で「第67回直木賞」を受賞します。約10年後には小説「吉里吉里人」では「第2回日本SF大賞」や「第33回読売文学賞」など文学賞を受賞しています。

井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?【代表作①】

人形劇「ひょっこりひょうたん島」

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1964年4月から1969年4月まで放送された人形劇「ひょっこりひょうたん島」の原作を同じく放送作家であり童話作家・山元護久さんと手がけました。メインテーマも話題となり、子供から大人まで楽しめる人形劇として人気を博しました。放送後も何度も再放送され、2013年にはリメイク版が制作されるなど、世代を超えて愛されている作品です。

ひょっこりひょうたん島の豚設定は「死の世界」?

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人形劇「ひょっこりひょうたん島」は、島に遠足に来た先生と子供たちが、島の噴火により漂流してしまった島での物語です。井上ひさしさんら制作に携わったスタッフは、家庭環境により家族に頼ることができなかった子供時代を送ってきました。そのため、人形劇「ひょっこりひょうたん島」には「親」が登場していません。井上ひさしさんらの子供時代が影響していました。
物語を見ていくと、孤島であるため食糧危機という問題が気になりますが、実は人形劇「ひょっこりひょうたん島」は「死後の世界の物語」という隠れた舞台設定がありました。子供たちは、噴火の際に亡くなっており、食べる必要がないという設定にしました。そのことを伏せて人形劇を制作、子供たちの明るいイメージを一種の「ユートピア」として、悲壮感漂う雰囲気を払拭しました。劇中に「四国霊場物語」などが登場するのは、「死者の物語」という舞台設定があるゆえでした。

井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?【代表作②】

戯曲「藪原検校」

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1973年に発表した戯曲「藪原検校(やぶはらけんぎょう)」は、同年に開業した「西武劇場(現:PARCO劇場)」のオープニング記念企画の第1弾の舞台作品として制作されました。「藪原検校」は江戸時代に暴れまわった悪党「藪原検校」の創作物語ですが、元々は2世古今亭志ん生の人情噺が元になっています。
戯曲「藪原検校」は、1973年に初演されて以降、人気作品として幾度となく上演されました。2007年には演出家・蜷川幸雄さんが、2012年には演出家・栗山民也さんが演出して舞台上演されました。

井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?【代表作③】

戯曲「父と暮らせば」

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1994年発表の戯曲「父と暮らせば」は、原爆投下後の広島を舞台にした2人芝居です。同年9月に初演が行われ「第2回読売演劇大賞」優秀作品を受賞、また主演した女優・梅沢昌代さんは優秀女優賞を受賞しました。
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「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹造は、実はもはやこの世の人ではない――。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。

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映画化もされた不動の名作

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2004年には宮沢りえさん主演で映画が公開されました。セリフはほぼ原作と同一で製作、原爆投下後の広島市内をCGで再現するなど、映画特有の演出も盛り込みました。

井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?【代表作④】

小説「手鎖心中」

1972年発表の小説「手鎖心中」は、材木屋の若男庭が絵草紙(女性・子供向け小説を手掛ける職人の総称)になることを願うあまり、家から勘当されさらには手鎖の刑を受け、心中を企てる物語です。時代小説ではありますが、ユーモラスに描いています。
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材木問屋の若旦那、栄次郎は、絵草紙の作者になりたいと死ぬほど願うあまり、自ら勘当や手鎖の刑を受け、果ては作りごとの心中を企むが…。ばかばかしいことに命を賭け、茶番によって真実に迫ろうとする、戯作者の業を描いて、ユーモラスな中に凄みの漂う直木賞受賞作。表題作のほか「江戸の夕立ち」を収録。

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直木賞受賞!舞台化もされる

同年には「第67回直木賞」を受賞しました。直木賞受賞後「浮かれ心中」の演目で歌舞伎舞台化されるなど、舞台作品としても人気の小説です。

井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?【代表作⑤】

小説「吉里吉里人」

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小説「吉里吉里人」は1973年から1年間、筑摩書房の雑誌「終末から」に連載された長編小説です。東北地方の寒村「吉里吉里村」が、日本政府に愛想を尽かし「吉里吉里国」を立国する物語です。雑誌に掲載後、単行本が発売されると、地方自治体が独立国を名乗ることが流行(ミニ独立国ブーム)が起きました。
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ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。

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井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?【代表作⑥】

小説「握手」(短篇ナイン収録)

1990年に発表した小説「握手」は、児童福祉施設で育った主人公の青年が、久々に養護施設の園長に出会い、過去の出来事を多返していく物語です。「握手」は短編集「ナイン」に掲載されています。短篇なのですぐに読めるためおすすめです。
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懐しい町の匂いを求めて、私はときどき駅を降りてみる。四谷しんみち通り、20年前の野球少年たちはどうしているだろう。ぷーんと木の香をさせていた職人のおじさんは元気にしているだろうか。バスの窓から見る風景も、雑踏の中で垣間見るドラマも、東京の町はすべて通りすがりの私の胸に熱く迫ってくる。

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中学校の教科書にも登場した短編小説

短篇「握手」は、中学3年生の教科書にも掲載されたことで話題となりました。相談掲示板「ヤフー知恵袋」などでは、教科書に掲載された「握手」の解釈について相談する中学生や、教科書教材として「握手」をどのように解釈するべきか教師の間でも勉強会がたびたび行われています。
教科書の教材にもなった小説「握手」は、カナダ人修道士「ブラザー・サルト・ベランジェ」の伝記が元に作られました。中学校では、「握手」の内容と共に、ベランジェ修道士の日本での活動についても紹介することがあるようです。短編小説ではありますが、中学校の教科書に掲載されるなど、多大な影響力のある作品と言えるでしょう。

井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?【家族構成】

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ここからは井上ひさしさんの家族構成をご紹介します。

前妻との間に3人の娘が生まれる

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井上ひさしさんは27歳の時、井上好子(本名:西舘代志子)さんと結婚しています。好子夫人は当時、電通に勤めていましたが同社のディレクターの詐欺に遭ってしまいます。同じ人物から詐欺被害を受けていた井上ひさしさんと仲良くなり、交際に発展、結婚しました。
井上ひさしさんと好子夫人には、3人の娘が生まれており、三女の井上麻矢さんは劇団「こまつ座」の社長に現在就任しています。井上ひさしさんが50歳になった1984年、好子夫人と離婚しています。好子夫人は離婚3年後、劇団「こまつ座」の舞台監督を務めていた西舘監督と再婚しました。実は、好子夫人は西舘監督と不倫関係にあり、それが発覚して井上ひさしさんと離婚しました。
好子夫人は離婚後、「修羅の棲む家」を発表、井上ひさしさんからの家庭内暴力(DV)があったことを明かしています。井上ひさしさんの暴力があり、西舘監督に相談していく中で親密になったことを明かしています。好子夫人が離婚時に「自分に正直に生きたい」と記者会見での発言が、1984年の流行語にもなりました。

後妻との間に長男が生まれる

1987年、料理研究家のユリさんと結婚しました。結婚前に週刊雑誌「フライデー」に井上ひさしさんの自宅にいたユリさんの写真が掲載され、肖像権の侵害に対する訴訟を起こし、1989年には慰謝料など10万円の支払いを命じる判決が下りました。
ユリ夫人と井上ひさしさんの間には、長男が誕生しています。現在、長男がどのような活動を行っているのかわかりませんでした。長男は、一般人として働いている可能性が高いです。

井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」?【遺族抗争が勃発?】

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2010年4月9日、井上ひさしさんは75歳で亡くなりました。5年後には、井上ひさしさんが手掛けた作品が映画や舞台になり、再び井上ひさしさんの名前が話題になりましたが、注目されたのは遺族抗争でした。一体、何があったのでしょうか。

映画「母と暮せば」に井上ひさしの名前がなかった理由

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2015年12月公開の映画「母と暮らせば」は、山田洋次監督がメガホンを取り、松竹映画創立120周年の記念作品でした。原作は井上ひさしさんの「父と暮らせば」でしたが、映画には井上ひさしさんの名前が一切出てきません。井上ひさしさんの後妻であるユリ夫人と、前妻の三女であり「こまつ座」社長の井上麻矢さんとの関係が良くないことが原因でした。
井上麻矢さんは映画の制作にも携わりましたが、著作権を所有するユリ夫人が井上ひさしさんの名前を使用することを拒否したため、井上ひさしさんの名前を使用することができませんでした。そのため、映画は松竹創立120周年記念作品として全面的に宣伝されました。

舞台「ひょっこりひょうたん島」で前妻の娘と後妻が抗争!

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2015年12月、劇団「こまつ座」で井上ひさしさんが手掛けた「ひょっこりひょうたん島」が上演されることが決まりました。しかし、後妻のユリ夫人が上演に反対、「こまつ座」の社長である井上麻矢さんと対立することになります。著作権を所有するユリ夫人は、舞台のタイトルに「ひょっこりひょうたん島」を使用することを拒否したことで、遺族抗争が勃発しました。舞台は予定通り上演されましたが、今後さらなる騒動になる可能性もあります。

井上ひさしの代表作は「握手」「ナイン」「ひょっこりひょうたん島」!

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直木賞作家の井上ひさしさんは、直木賞を受賞した「手鎖心中」や、教科書にも掲載された 「握手」、そして人形劇「ひょっこりひょうたん島」など数多くの作品を手掛けてみました。一方でプライベートでは2度結婚経験があり、1男3女をもうけています。長男の現在は不明でしたが、三女の井上麻矢さんは劇団「こまつ座」の社長を務めています。
井上ひさしさんの死後、井上ひさしさんが手掛けた作品の映画化・舞台化で遺族抗争が巻き起こるなど、周囲も驚くような出来事が巻き起こります。現在は後妻と前妻の三女の争いとなっていますが、長男や長女などは静観しているようです。今後も井上ひさしさんの周辺は騒がしくなるでしょう。
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