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井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!読者の感想は?寓意あり?

2018.06.28

小説家・井伏鱒二の代表作「山椒魚」は、後に結末が変更されて物議を巻き起こしたことをご存知でしょうか。これらの経緯を解説していきます。井伏鱒二の小説「山椒魚」のあらすじや全文を見る方法、結末解説、そして読んだ人の感想をご紹介します。

  1. 井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!
  2. 井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!【プロフィール】
  3. 井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!【あらすじ】
  4. 井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!【文体】
  5. 井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!【モチーフになった作品】
  6. 井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!
  7. 井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!【読んだ人の感想】
  8. 結末を解説!井伏鱒二『山椒魚』は寓意小説?
  9. 井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!おまけ【作品がもっと楽しめる動画】
  10. 井伏鱒二『山椒魚』の結末を解説!まとめ
引用: https://i.pinimg.com/564x/d7/a5/54/d7a554d9c29b9da5d534c3c7fef8d983.jpg
昭和の小説家・井伏鱒二と言えば、小説「山椒魚」が有名です。今回は、代表作「山椒魚」のあらすじや読んだ人の感想、さらに全文を読む方法や学校の授業(現代文)などで取り上げられている現状などをご紹介します。
引用: https://i.pinimg.com/564x/c6/ea/77/c6ea778c5f095a03266893bdb2b114d2.jpg
井伏鱒二(いぶせますじ)は1898年2月15日広島県安那群(現:福山市)に次男として生まれました。本名は「井伏滿壽二(いぶしますじ」です。井伏家は室町時代まで遡ることができるほどの旧家であり「中ノ士居」という屋号を持つ地主でした。5歳の時に父を亡くした後は、祖父に可愛がられて育ちます。
幼い頃から写生が得意で将来は画家になろうと志、日本美術学校に進学します。しかし、無二の親友だった青木南八が自殺したことがショックで学校を退学してしまいました。
25歳の時、処女作「幽閉」を発表、翌年には出版社「聚芳閣」に就職しますが、退社と入社を繰り返してしまいます。その後も執筆活動を続けていき、40歳で「ジョン萬次郎漂流記」で「第6回直木賞」を受賞しました。1993年6月、東急衛生病院(杉並)に緊急入院しますが、約2週間後肺炎のため95歳でこの世を去りました。
引用: https://images.unsplash.com/photo-1505226541577-484b5ee2173a?ixlib=rb-0.3.5&ixid=eyJhcHBfaWQiOjEyMDd9&s=83fc250e5bddc3f001c2315eff848ba0&auto=format&fit=crop&w=1050&q=80
ここでは、井伏鱒二の代表作「山椒魚」のあらすじについて簡単にご紹介します。
井伏鱒二が最初に「山椒魚」の執筆に取り掛かったのは、早稲田大学在学中(当時21歳)の時です。その後「幽閉」というタイトルで発表しますが、1929年に「幽閉」を前面的に改稿します。そしてタイトルも「山椒魚」と変えて発表しました。「山椒魚」というタイトルは、井伏鱒二さんが通っていた中学校の池に飼っていた山椒魚が元になっています。
山椒魚 (新潮文庫)
価格 ¥ 529
老成と若さの不思議な混淆、これを貫くのは豊かな詩精神。飄々として明るく踉々として暗い。本書は初期の短編より代表作を収める短編集である。岩屋の中に棲んでいるうちに体が大きくなり、外へ出られなくなった山椒魚の狼狽、かなしみのさまをユーモラスに描く処女作「山椒魚」

小説「山椒魚」のあらすじ

谷川の岩屋をねぐらにしていた山椒魚は、あるとき自分が岩屋の外に出られなくなっていることに気がつく。二年の間岩屋で過ごしているうちに体が大きくなり、頭が出入り口に「コロップの栓」のようにつかえるようになってしまったのである。ろくに動き回ることもできない狭い岩屋のなかで山椒魚は虚勢を張るが、外に出て行くための方途は何もない。彼は出入り口から外の谷川を眺め、目高の群れが先頭の動きにあわせてよろめいているのを見て嘲笑し、渦に巻き込まれて沈んでいく白い花弁をみて「目がくらみそうだ」とつぶやく。

ある夜、岩屋のなかに小海老がまぎれこみ、山椒魚の横っ腹にしがみつく。山椒魚を岩石と勘違いして卵をうみつけているらしい。しきりに物思いにふけっているらしい小蝦の様子をみて山椒魚は、屈託したり物思いに耽ったりするやつは莫迦だと言う。しかし山椒魚がふたたび出入り口に突進し、栓のようにはまり込んだりといった騒ぎをはじめると、はじめは狼狽していた小蝦も失笑する。

その後、山椒魚は外へ出ることを再度試みるが徒労に終わり、涙を流して神にむかって窮状を訴える。彼は岩屋の外で自由に動き回っている水すましや蛙の姿を感動の目で眺めるが、そうしたものからはむしろ目をそむけたほうがよいと考え目蓋を閉じる。彼は自分が唯一自由にできる目蓋のなかの暗闇に没頭し、寒いほど独りぽっちだ、と言ってすすり泣く。

悲嘆にくれるあまり「悪党」となった山椒魚は、ある日、岩屋に飛び込んできた蛙を閉じ込め、外に出られないようにした。蛙は安全な窪みのなかに逃げ込んで虚勢を張り、二匹の生物は激しい口論を始める。二匹のどちらも外に出られず、互いに反目しあったまま1年が過ぎ、2年が過ぎた。蛙は岩屋内の杉苔が花粉を散らす光景を見て思わず深い嘆息を漏らし、それを聞きとめた山椒魚はもう降りてきてもいいと呼びかける。しかし蛙は空腹で動けず、もう死ぬばかりになっていた。お前は今何を考えているようなのだろうか、と聞く山椒魚に対して蛙は、今でも別にお前のことを怒ってはいないんだ、と答える。

学校の授業(現代文)で取り扱われる小説

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井伏鱒二さんの「山椒魚」は、学校の授業(現代文)によく取り上げられる小説です。NHKが開いている「NHK高校講座・現代文」では、小説「山椒魚」の解説や現代文のテストで出題されがちな内容を実際に出題してくれたり、テスト対策にもなります。またネットの質問サイトなどでは、授業(現代文)で「山椒魚」が取り上げられ、解釈について質問するスレッドも数多く見受けられます。

全文読む方法は?

短篇小説なので、ネットで全文を読んでみたいと考える人もいるでしょうが、残念ながら全文を無料で読むことは現在できません。著作権が消滅した作品などをテキスト公開している代表的なサイト「青空文庫」でも、井伏鱒二さんの「山椒魚」を読むことができません。
なぜ全文が読めないかと言うと「著作権」が関わってきます。小説の著作権は、作者が亡くなっても50年は効力を発揮します。没後50年経って初めて著作権が消滅、ネットで全文を読むことができます。
井伏鱒二さんが亡くなったのは1993年7月10日なので、著作権が消滅するのは50年後の2043年の予定です。小説「山椒魚」の全文を読みたい人は、電子書籍を購入するか、書店または古本屋で購入することを勧めます。仮に全文を掲載しているサイトがあった場合、著作権違法になるため注意が必要です。
引用: https://images.unsplash.com/photo-1515787366009-7cbdd2dc587b?ixlib=rb-0.3.5&ixid=eyJhcHBfaWQiOjEyMDd9&s=8812dae86619e2e88fdc7e26d13f0feb&auto=format&fit=crop&w=1050&q=80
小説「山椒魚」は、主人公の山椒魚が語り部として物語が進んでいきます。山椒魚の語りがカギカッコでくくられており、地の文と区別して混同をさけています。さらに、山椒魚の嘆きなどを井伏鱒二さん特有のユーモアも交えています。
前身である「幽閉」にはこれらの特徴がみられないため、井伏鱒二さんが大幅に加筆修正したことが伺えます。これらの改稿があり、現在では学校の授業(現代文)でも取り上げられることが多くなっています。短編集なので、授業(現代文)でも扱いやすい題材であり、主人公の山椒魚の心情がよくわかる内容になっています。
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井伏鱒二さんの代表作「山椒魚」は、ロシアを代表する劇作家アントン・チェーホフの短編小説「賭」をモチーフにして書かれました。チェーホフの「賭」も人間の絶望から悟りの道程を描いたものであり、井伏鱒二さんは同賞説に感銘を受けて「山椒魚」を執筆することを決意しました。

チェーホフ以外でモチーフになった作品は?

井伏鱒二さんを研究する研究者の中には、小説「山椒魚」のモチーフは他にあると唱える人もいます。例えば、ロシア作家サルティコフ・シチェドリンの短編「賢いカマツカ」を挙げる人が多いのも事実です。
井伏鱒二さんが尊敬していた、明治の文豪・森鴎外も自身の著作「観潮楼偶記」で「賢いカマツカ」の作者であるシチェドリンを紹介するなど、井伏鱒二さんがシチェドリンを知らなかったことはありえない、と言う学者もいます。いずれにしても、井伏鱒二さんは何らかの作品の影響を受け「山椒魚」を執筆したことがわかります。
引用: https://images.unsplash.com/photo-1517770413964-df8ca61194a6?ixlib=rb-0.3.5&ixid=eyJhcHBfaWQiOjEyMDd9&s=8a2a753a335178a63b40af45ed76f78f&auto=format&fit=crop&w=1050&q=80
小説「山椒魚」は、井伏鱒二さんが米寿を迎えた1985年、更に改稿を行っています。その際に小説の結末が削除されて発表されました。これまでの結末は、カエルが山椒魚に怒っていないと語る場面で終わっていましたが、井伏鱒二さんはこの部分を削除して、「嘆息が相手に聞こえないよう注意した」という部分を結末としました。
結末を削除することに対して井伏鱒二さんは、詳細に語っていません。しかし、朝日新聞などで「(結末部分を)もっと早く削ればよかった」と語るなど、以前から結末部分に納得がいってなかったことを語っています。結末が変わったことで、当時のマスメディアも大きく報じました。結局、井伏鱒二さんは1985年に修正した以降は改稿作業を行っていないため、以前の結末と現在の結末が異なる現象が起きてしまいました。
引用: https://images.unsplash.com/photo-1515092741719-fff72bab4a2a?ixlib=rb-0.3.5&ixid=eyJhcHBfaWQiOjEyMDd9&s=1c855a8d6307ddfbd6707ac66b3a1ac4&auto=format&fit=crop&w=1050&q=80
ここからは、小説「山椒魚」を詠んだ人たちの感想をご紹介します。これから「山椒魚」を詠もうと考えている人は、参考にしてみましょう。

感想①

言いたいこととか盛り上がりがはっきりせずに、小説によくある起承転結の爽快な読後感は得られなかった。たとえば一枚の風景画をカメラ移動させながら点景描写しているような、部分部分の繋がりはどう解釈しても構わないみたいな、そんな自由さに戸惑ってしまう。名作と言われる「山椒魚」にしても「シグレ島叙景」にしても、ここで終わりかというような突き放された感はある。そこに行き着くまでの人間関係や会話などはユーモアの妙が感じられるが、全体的にどこが面白かったかと聞かれたらなんとも説明できない。エッセイを読んでるような錯覚をもしてしまう。しかしこれが日本人らしい文学なのかもしれないな。  太宰治は著者を尊敬していたみたいだが、その文体はかなり違ったタイプだ。きっと詩のように自由な解釈で楽しむのが良いのだろうと思う。

感想②

本作の含意するもの、比喩、隠喩などに読み込むべきことを考慮した際、 これほど肝の据わった時代(権力)批判を果たし得た作品を私は他に知りません。 清冽な自然感性の中に寓意豊かに示される生存の孤独、悲しみ。 それへ擬人化された山椒魚や蛙の命運は、畢竟、我々の生きる社会の閉塞と、 悲哀そのものを証し立てています。

感想③

「山椒魚」(幽閉)は、若き太宰治をして「埋もれたる天才」と評せしめた小品。その佇まいは飄々としながら屈託している、独特のユーモアのなかに含羞がある。それは「山椒魚」に限られない、井伏鱒二その人の佇まいである。 氏は生前、詩人と呼ばれることを非常に悦んだという(河盛好蔵「人と作品 詩人井伏鱒二」井伏鱒二『厄除け詩集』講談社文芸文庫113頁)。その反面、自らの詩については「詩のような形」で書いた、というはにかんだ言い方でこたえている(大岡信「こんこん出やれ―井伏鱒二の詩について」同138頁)。むぅ。井伏作品の読後感のように、なんともいえない微笑みが、思わず漏れ出てくる。

感想④

井伏鱒二の短編集。表題作のほか、「朽助のいる谷間」「岬の風景」「へんろう宿」「掛持ち」「シグレ島叙景」「言葉について」「寒山拾得」「夜ふけと梅の花」「女人来訪」「屋根の上のサワン」「大空の鷲」を収録。  旅先での経験、という内容の小説が多いが、不思議な小説が多い。実際にあったことをもとにしているような、完全な空想の産物のような。  ほとんどの小説に共通するのは、「屈託」である。何度も出てくる。「くったく」とひらがな表記のこともある。  文章には、人を寄せ付けないような所がある。ほとんどが一人称で、主人公の屈託が作者と読者の間に障害となっている。  「なんたる咎だりますか!」(p41)のように、「○○だります」という言葉が、せりふの中に何度か出てくる。これが「○○であります」なのだろうとわかるまで、少し時間がかかった。

感想⑤

成長しすぎて岩穴から出られなくなってしまった主人公の山椒魚。 彼は岩穴から外の世界をのぞきます。 一匹では自由に動けない小魚の群れを見て 「不自由な連中だ」と感じますが、 彼自身が岩穴から出られない不自由な立場にあることを 棚に上げているのが哀れを誘います。 狭い世界に閉じこもり、孤独に過ごすことの寂しさや やるせなさがよく表れています。

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小説「山椒魚」は「寓意小説」の代表作としても挙げられます。そもそも寓意小説とはどのような小説を指すのでしょうか。

寓意小説とは?

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「寓意小説(ぐういしょうせつ)」とは、教訓や批判などをかこつけて書かれた小説の事を言います。小説「山椒魚」も岩屋から出られなくなった山椒魚をユーモラスに描いていますが、実は井伏鱒二さんが世間にたいする批判を込めた「寓意小説」であるとも言われています。

有名な寓意小説は?

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「寓意小説」として有名なのは、澁澤龍彦さんの「高丘親王航海記」やイギリス人作家マーヴィン・ピークの「死の舞踏」、チェコ人作家カレル・チャペック「山椒魚戦争」などがあります。しかし「寓話」として有名なのが、イソップ童話などが挙げられるため、多くの人が「寓意」に関する本を読んだことがあるはずです。
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小説「山椒魚」について解説してきましたが、最後に「山椒魚」を題材にしてコントを作成したお笑い芸人をご紹介します。現在はそれぞれの活動をしているコントグループ「ラーメンズ」は、2000年に行ったコントライブ「home」で小説「山椒魚」を題材にコントを披露しています。当時の動画がありますので、小説「山椒魚」のあらすじを思い出して見てみましょう。
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井伏鱒二さんの代表作「山椒魚」は、発表後も改稿されるなど時には世間を賑わすことにもなりました。学校の授業(現代文)でも取り扱ってきた題材だったため、結末が削除されたことは大きな出来事だったでしょう。普段本を読まない人も「山椒魚」は短編小説なのですぐに読めるはずです。たまには本の世界に浸ってみるのはいかがでしょうか。
サムネイル画像は下記より引用しました。
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