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井上靖の代表作は氷壁?名言が凄い!記念館はどこにあるの?

昭和の文豪・井上靖さんをご存知でしょうか。代表作「氷壁」以外にも、映像化された作品を数多く執筆、さらに名言も有名です。小説家・井上靖さんのプロフィールや代表作「氷壁」の紹介、おすすめ作品8選、そして名言集をご紹介します。

小説家・井上靖の代表作は?小説「氷壁」や名言を紹介

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歴史・現代・自伝小説を手掛けてきた小説家・井上靖は、映像化された作品も多いことで有名です。独特な淡々とした文体は「読みにくい」と敬遠する人も少なくありません。しかし、井上靖さんの作品は読めば読むほどハマる要素も兼ね備えています。
今回は代表作の「氷壁」以外に鑒眞(鑑真)と若い遣唐使たちの物語を描いた「天平の甍」、「しろばんば」「孔子」、映像化された小説をご紹介します。

小説家・井上靖の代表作「氷壁」&名言集【プロフィール】

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井上靖(いのうえやすし)さんは1907年5月6日北海道旭川町(現:旭川市)に生まれました。軍医だった父親の長男として生まれ、父が韓国に従軍にしたため、一時的に静岡県伊豆湯ヶ島で育ちました。中学校まで静岡県で育った井上靖さんは、高校で石川県金沢市の第四高等学校(現在の金沢大学)に入学しました。高等学校を卒業後「井上泰」のペンネームで北陸4県の詩人が拠った雑誌「日本海詩人」に投稿しました。

大学へ進学

九州帝国大学(現:九州大学)に入学しますが退学、京都帝国大学(現:京都大学)に進学します。在学中に京都帝国大学の人類学者足立文太郎の娘ふみと結婚します。京都帝国大学卒業後、週刊誌「サンデー毎日」の懸賞小説で入選、これが縁で毎日新聞大阪本社へ入社します。

毎日新聞に入社

毎日新聞にいた頃、日中戦争のため招集を受け出兵しますが、病気のため除隊します。再び毎日新聞に戻り、文芸部で働きます。文芸部の後輩社員には、「白い巨塔」や「華麗なる一族」などを手掛けた後の小説家・山崎豊子がいました。昭和25年(1950年)「闘牛」で「第22回芥川賞」を受賞、翌年には毎日新聞を退社して執筆活動に没頭しました。
平成3年(1991年)急性肺炎のため国立がんセンター(築地)でなくなります。享年83歳でした。墓所は母親の生まれ故郷であり、自身も幼い頃育った伊豆市にあります。葬儀委員長は歴史小説家・司馬遼太郎さんでした。

井上靖の作風は?

井上靖さんの作風は、現代を舞台にした小説(「猟銃」「闘牛」「氷壁」など)、自伝小説(「あすなろ物語」「しろばんば」など)、そして歴史小説(「風林火山」「孔子」「淀どの日記」など)3つの作風にわけることができます。

小説家・井上靖の代表作「氷壁」&名言集【家族情報】

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井上靖さんの子供(家族)4人は、それぞれの道で活躍しています。文豪・井上靖さんの血を受け継いだ家族(子供)の現在の職業をご紹介します。

家族①井上修一(長男)

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井上靖さんの長男・井上修一さんは、ドイツ文学者であり大坂・プール学院大学(旧:桃山学院教育大学)の学長、そしてドイツ語学文学振興会の理事長などを歴任しました。

家族②井上卓也(次男)

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井上靖さんの次男・井上卓也さんは、株式会社電通のCMプランナー(コピーライター)として活躍しています。井上卓也さんの代表作には「コンタック・ビタミンC母娘」、JR「フルムーン」シリーズなどがあります。

家族③浦城幾世(長女)

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井上靖さんの長女・浦城幾世さんは、父親である井上靖さんの文学研究をしています。家族の中で井上靖さんの作品に一番関わっていると言えるでしょう。

家族④黒田佳子(次女)

井上靖さんの次女・黒田佳子さんは詩人として活躍しています。井上靖さんとは異なる形で自分の世界を表現しています。

小説家・井上靖の名言集【代表作「氷壁」など8作品】

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ここからは、井上靖さんの代表作とおすすめ作品8選をご紹介します。

小説家・井上靖の名言集【代表作「氷壁」など8作品①】

「氷壁」(新潮社)

1957年に発売した「氷壁」は、井上靖さんの代表作と言える長編小説です。1956年2月から1957年8月まで朝日新聞に連載されていた作品をまとめ発売されました。登山中に亡くなった友人の死の真相に迫る物語です。1955年に実際に起きた「ナイロンザイル切断事件」を元に執筆されました。
氷壁 (新潮文庫)の画像

氷壁 (新潮文庫)

価格:¥ 907

奥穂高に挑んだ小坂乙彦は、切れるはずのないザイルが切れて墜死した――恋愛と男同士の友情がドラマチックにくり広げられる長編。

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何度もテレビドラマ化された不屈の名作

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1958年3月に映画が公開された後、テレビドラマや映画など何度も映像化されています。小説「氷壁」は、時代を超えて多くの人に愛される作品と言えます。

小説家・井上靖の名言集【代表作「氷壁」など8作品②】

天平の甍(新潮文庫)

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1957年発売の「天平の甍(てんぺいのいらか)」は、実際に中国を訪れたことで後に加筆しています。加筆後「天平の甍」は「芸術選奨」文部大臣賞を受賞しました。
天平の甍 (新潮文庫)の画像

天平の甍 (新潮文庫)

価格:¥ 529

天平の昔、荒れ狂う大海を越えて唐に留学した若い僧たちがあった。故国の便りもなく、無事な生還も期しがたい彼ら――在唐二十年、放浪の果て、高僧鑒真を伴って普照はただひとり故国の土を踏んだ……。鑒真来朝という日本古代史上の大きな事実をもとに、極限に挑み、木の葉のように翻弄される僧たちの運命を、永遠の相の下に鮮明なイメージとして定着させた画期的な歴史小説。

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鑒眞(鑑真)と出会う若き留学僧たちが主人公

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小説「天平の甍」は、遣唐使として大陸に渡った留学僧たちが、「鑒眞(鑑真)」と運命的な出会いをして鑒眞(鑑真)を日本へと招く物語です。「天平の甍」は時代小説であるため、受験生などから歴史小説好きまで幅広い層に愛されています。また、鑒眞(鑑真)と若い留学僧たちの交流も読むことができるので、日本史を学ぶ上でもためになる小説でもありあす。

オール中国ロケで映画化

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1980年映画「天平の甍」が公開されました。映画「天平の甍」を撮影するために、監督の熊井啓さんは中国ロケを強く望み、現地に何度も交渉をしました。製作スタッフの粘り強い交渉により、中国ロケを実現させました。
当時、戦後の根強い反日感情があり、中国で日本人が訪れることはもちろん、映画などの撮影は難しかった情勢が背景にあります熊井啓監督らは、「鑒眞(鑑真)」の生まれ故郷であり、作品の舞台である中国ロケを達成すべく尽力ました。
小説「天平の甍」は映画のみならず舞台作品としても上演されています。「鑒眞(鑑真)」と遣唐使である若い僧侶たちの物語は、形を変えて多くの人に広まることとなります。井上靖さんは「天平の甍」を執筆するにあたり、「鑒眞(鑑真)」や権行使たちを研究・調べて執筆しました。

小説家・井上靖の名言集【代表作「氷壁」など8作品③】

しろばんば(新潮文庫)

1960年発売の「しろばんば」は、井上靖さんの自伝的小説としてはっぴょうしました。1960年から「主婦の友」で連載された「しろばんば」はその後、単行本として発売、さらに「続しろばんば」と題して続編が連載されました。
「しろばんば」とは雪虫(アブラムシ)のことであり、井上靖さんが幼少期に過ごした静岡県伊豆半島で「しろばんば」を多く見ることができます。小説「しろばんば」」は1962年に映画化、1964年と1973年にはテレビドラマ化されました。
しろばんば (新潮文庫)の画像

しろばんば (新潮文庫)

価格:¥ 853

野草の匂いと陽光のみなぎる、伊豆湯ヶ島の自然のなかで幼い魂はいかに成長していったか。著者自身の少年時代を描いた自伝小説。

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小説家・井上靖の名言集【代表作「氷壁」など8作品④】

おろしや国酔夢譚(文芸春秋)

1960年発売の「おろしや国酔夢譚(こくすいむたん)」は、江戸時代にロシアに漂流した大黒屋光太夫ら17人を描いた歴史小説です。井上靖さんは同小説を書くにあたり当時、大黒屋光太夫たちが聴取した内容をまとめた「北槎聞略」などを参考に執筆しました。
新装版 おろしや国酔夢譚 (文春文庫)の画像

新装版 おろしや国酔夢譚 (文春文庫)

価格:¥ 778

苛烈な大地で開花した光太夫のリーダーシップ 数か月の漂流の末にたどり着いた島。彼らを待っていたのは、ロシア帝国内での十年に及ぶ流浪の暮らしだった。映画化された傑作!

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ロシアで大掛かりな撮影が行われ映画化

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1992年映画「おろしや国酔夢譚」が公開されました。同映画を制作するにあたり、ロシア協力による大規模なロケを行いました。ちなみに、当時の対外関係委員会議長を務めていたのは、現大統領のウラジーミル・プーチンさんでした。

小説家・井上靖の名言集【代表作「氷壁」など8作品⑤】

孔子(新潮文庫)

1989年発売の「孔子」は、井上靖さん最後の長編小説です。聖人君子「孔子」の高弟たちが、講師の没後に孔子研究会の会員に師である孔子について語るという形で話は進みます。これまでと一線を画す形で小説「孔子」は執筆されているため、歴史小説が苦手な人も読むことができるでしょう。孔子を知る上でもためになる小説です。
孔子 (新潮文庫)の画像

孔子 (新潮文庫)

価格:¥ 766

二千五百年前、春秋末期の乱世に生きた孔子の人間像を描く歴史小説。『論語』に収められた孔子の詞はどのような背景を持って生れてきたのか。十四年にも亘る亡命・遊説の旅は、何を目的としていたのか。孔子と弟子たちが戦乱の中原を放浪する姿を、架空の弟子・えん薑が語る形で、独自の解釈を与えてゆく。現代にも通ずる「乱世を生きる知恵」を提示した最後の長編。野間文芸賞受賞作。

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小説家・井上靖の名言集【代表作「氷壁」など8作品⑥】

蒼き狼(新潮文庫)

1959年発売の小説「蒼き狼」は、モンゴル帝国を築いた初代ハーンのチンギス・カンの生涯を描いた作品です。井上靖さんは大学生の頃からチンギス・カンに興味を持っており、長年資料を集めていたそうです。
蒼き狼 (新潮文庫)の画像

蒼き狼 (新潮文庫)

価格:¥ 767

風の如く蹂躙せよ。嵐の如く略奪せよ。世界史上未曾有の英雄、成吉思汗即位八百年! 遊牧民の一部族の首長の子として生れた鉄木真=成吉思汗(テムジン=チンギスカン)は、他民族と激しい闘争をくり返しながら、やがて全蒙古を統一し、ヨーロッパにまで及ぶ遠征を企てる。六十五歳で没するまで、ひたすら敵を求め、侵略と掠奪を続けた彼のあくなき征服欲はどこから来るのか?――アジアの生んだ一代の英雄が史上空前の大帝国を築き上げるまでの波瀾に満ちた生涯を描く雄編。

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テレビドラマ・映画化された超大作

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1980年テレビ朝日開局20周年を記念してドラマ「蒼き狼 成吉思汗の生涯」が放送されました。さらに2007年映画「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」が公開されました。製作費30億円という日本映画でも多額の資金をかけて製作されました。

小説家・井上靖の名言集【代表作「氷壁」など8作品⑦】

風林火山(新潮文庫)

1953年発売の「風林火山」は、武田信玄に仕えた足軽大将・山本勘助を主人公に描いた歴史小説です。1969年の研究で山本勘助は実在した人物とわかっていますが、井上靖さんが小説を執筆した1950年代までは、山本勘助は空想上の人物と言われていました。
風林火山 (新潮文庫)の画像

風林火山 (新潮文庫)

価格:¥ 637

知略縦横の軍師として信玄に仕える山本勘助が、秘かに慕う信玄の側室由布姫。風林火山の旗のもと、川中島の合戦は目前に迫る……。

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何度となく映像化された人気作品

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小説「風林火山」は、これまでに3回テレビドラマとして制作・放送されてきました。2007年に放送されたNHK大河ドラマ「風林火山」は、井上靖さんの生誕100年を記念して制作されました。井上靖さんにとっても初めての大河ドラマ化作品となりました。

小説家・井上靖の名言集【代表作「氷壁」など8作品⑧】

わが母の記(文芸文庫)

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1975年発売の「わが母の記」は、井上靖さんの母親を題材にした自伝小説です。老いた母親の80歳から亡くなる89歳までの出来事を「花の下」「月の光」「雪の面」の3部作で構成されています。
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わが母の記 (講談社文庫)

価格:¥ 583

枯葉ほどの軽さの肉体、毀れた頭。歩んできた長い人生を端から少しずつ消しゴムで消して行く母--老耄の母の姿を愛惜をこめて静謐な語り口で綴り、昭和の文豪の家庭人としての一面をも映し出す珠玉の三部作。モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ受賞ほか、世界を感動に包んだ傑作映画の原作。

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豪華俳優陣で映像化

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2012年映画「わが母の記」が公開されました。主役に役所広司さんと樹木希林さんが出演しました。同映画は「第35回モントリオール世界映画祭」審査員特別グランプリを受賞しました。

小説家・井上靖の代表作「氷壁」情報【名言集】

井上靖さんは、数々の名言を残しています。ここでは、井上靖さんの名言を5選ご紹介します。

名言集①

努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る。

https://www.motivation-up.com/word/015.html

名言集②

自分が歩んできた過去を振り返ってみると、何とたくさんのすばらしい、一生に一度の出会いがあることか。

https://www.motivation-up.com/word/015.html

名言集③

何でもいいから夢中になるのが、どうも、人間の生き方の中で一番いいようだ。

https://www.motivation-up.com/word/015.html

名言集④

人間というものは、 生きているということに 多少の意義がないと、 生きていけないものですよ

http://meigenn.jp/inoueyasushi-meigenn-1877

名言集⑤

どんな幸運な人間でも、 一度は死にたい程 悲しくて辛いことがある

http://meigenn.jp/inoueyasushi-meigenn-1877

小説家・井上靖の代表作「氷壁」&名言集【記念館はどこにある?】

井上靖さんがなくなった2年後「井上靖記念館」が会館しました。最後に「井上靖記念館」についてご紹介します。

「井上靖記念館」は生まれ育った旭川市にある!

井上靖記念館は1993年7月開館しました。井上靖さんが生まれた北海道旭川市に作られました。記念館には、井上靖さんにまつわる作品や、生まれ故郷である旭川市に対する思いをつづった自筆のノート、生原稿、交流のあった芸術家の作品などが展示されています。

「井上靖記念館」の定休日・行き方は?

井上靖記念館は、旭川駅から「旭川電気軌道バス」で「春光園」を下車したところにあります。詳細は公式ホームページをチェックしてみましょう。

井上靖記念館

北海道旭川市にある井上靖記念館のホームページです。井上靖記念館は作家 井上靖が旭川で生まれたことを記念して、1993(平成5)年に開館しました。この記念館には、自筆ノート、直筆原稿、文学作品、親交のあった芸術家の作品の他に、東京都世田谷区にあった井上靖邸の書斎・応接間を移転し、公開しています。

inoue.abs-tomonokai.jp

小説家・井上靖の代表作は小説「氷壁」!名言が凄かった!

昭和の文豪・井上靖さんは歴史小説や自伝小説など多くの作品を残しました。執筆した作品の中には、テレビドラマや映画化されるなど幅広い層に知られるきっかけとなります。井上靖さんのことをもっと知りたい人は、ぜひ小説を読み、旭川市にある井上靖記念館に足を運んでみましょう。