司会者に、「トニーとチョウ・ユンファ（周潤發）、2人が川で溺れていたらどっちを助ける？」と、思いがけない難題を突き付けられたアンディ。ところが悩むことなく、「トニーは絶対に助けない。逆に石を投げてやっつけてしまう。そうすれば今後20年は、自分が賞を取れるから」と即答。さらに、「こんな番組、出るんじゃなかったよ。苦労して築いてきたいいイメージが壊れてしまった」と、頭をかいて苦笑いを浮かべた。

香港スターとしてファンの熱を沸かせる二大スターとして、アンディ・ラウVS.トニー・レオンという縮図がもう出来上がっているようです。トニー・レオンの考えはともかく、がっしりと男らしいアンディ・ラウは「トニー・レオンが溺れていても助けない」と言うほど、自分の人気度を崩したくないのですね。

このほどインタビューに答えたアンディ・ラウによると、体は9割ほど回復しているが、休みが長かったせいか声がかすれるのが気になり、医師に相談したとのこと。その結果、原因は「年齢によるもの」と宣告されたと語っている。 この言葉にショックを受けたというアンディ・ラウだが、「歌う時は何ともないが、話す時は声がかすれる。たぶん治療期間に体力や筋力が落ちたのも原因だと思う。少し前までこんなことはなかった」と語っている。

落馬で大怪我を追ったのは本当だったんですね。6ヶ月の休養のあと、映画「侠盗聯盟（The Adventurers）」の北京プレミアに出席するほど回復。しかし声がかすれるようになったのは俳優としてショックでしょう。これは事故によるものではなく、年齢のためと医者から言われたこともショックでしょうね。56歳でも声帯の鍛錬をしていればまだ俳優として活躍できるのに、という衝撃があったと思われます。

香港映画を支えるビッグスター同士の共演が話題の映画。1991年にメガヒットした映画「跛豪」（To Be Number One）のリメーク作品と言われるもので、主人公で麻薬取引集団の巨頭・呉錫豪（ン・シーホウ）をドニー・イェンが演じている。同じ91年公開のアンディ・ラウ主演「リー・ロック伝/大いなる野望」の主人公である汚職警官の雷洛（リー・ロック）も登場するが、アンディ・ラウは今回、この「リー・ロック伝」から26年ぶりに同じ役を再演している。

26年前にアンディ・ラウさんは同じ「リー・ロック」を演じたということを読んだだけで、いかにアンディ・ラウさんの芸歴が長く、プロフェッショナルであるかが分かりますね。

唐王朝がその衰退を呈していた9世紀中頃の中国では、政治の腐敗から国内各地に反政府組織が乱立していた。飛刀門という反乱組織を討伐するよう命を受けた捕吏（罪人を捕まえる役人）の劉（リウ）は、美しい盲目の踊り子・小妹（シャオメイ）を反乱組織の前頭目の娘と目して捕らえ、組織の情報を白状させようとする。口を割らない小妹を組織の一員であると確信する劉は、同僚の捕吏の金（ジン）に小妹を救出させ、逃亡の行方を追って組織の拠点をつきとめようと策をたてる。金は小妹を牢から救いだし共に逃避行の旅を続け、劉も2人の後を追う。2人の男と1人の女のあいだには、それぞれの策略と思惑と愛とが交じり合い、壮絶な最後に導かれて行く。

戦乱の世の中でも必ず芽生える愛というものは、炎を鎮める清らかな泉です。その美しさに感動する時、観客は役者の演技と、作品の奥深さに感動するのでしょう。

“時”を象徴する時計や、“内面”を映し出す鏡、モノローグを多用するウォン・カーウァイ監督のスタイルはこの作品から生まれた。もともと前後篇二部構成の予定で、ラストに九龍城砦の一室で唐突にトニー・レオンが登場し、当時は続編の可能性が取りざたされたが、アイドル時代のトップスターたち多数が集結して共演しており、再集結は予算的に不可能とされていた。

1960年代というやや古い時代にタイムスリップしたかのような、若者たちの恋愛群像。人の心を刻む「時」や内面を映し出す「鏡」、そしてモノローグにより進む物語は当時、ありきたりではなく斬新な作品となったことでしょう。