映画『ザ・サークル』ネタバレ!生活をオープンにし過ぎるSNS社会への警鐘作品?
インターネットを介するサスペンス映画『ザ・サークル』。生活をオープンにしすぎるSNS社会への警告作品とも言える『ザ・サークル』について、あらすじやネタバレ解説を一挙ご紹介します。また、原作である小説版との違いについても迫ってみました!
映画『ザ・サークル』を徹底的に解説!
2017年に公開され、現代のSNS社会の問題点などを風刺した映画『ザ・サークル』。ここでは、そんな本作品の基本情報やあらすじ、ネタバレ考察などを中心に解説いたします。
また、原作である小説版との違いも調べました。映画『ザ・サークル』は一体どんな意味を持つ作品なのでしょうか!?
『ザ・サークル』の基本情報
映画『ザ・サークル』は、2017年に公開をされたハリウッド映画作品です。ジェームス・ポンソルト監督。主演は、トム・ハンクスとエマ・ワトソン。
元ネタは、2013年に出されたデイヴ・エガーズの同名の小説作品です。
TwitterやFacebook、インスタグラムなど数々のSNSが流行している現代において、そんなSNSの危険性を描いた作品。個人情報を開示しすぎることで起こる、恐ろしい部分を見事な描写で表現しています。
『ザ・サークル』主演はエマ・ワトソン
【名前】 エマ・ワトソン
【生年月日】 1990年4月15日
【出身国】 イギリス
【デビュー】 2001年
【主な出演作】 「ハリーポッターシリーズ」、「美女と野獣」、「ウォールフラワー」など
本作品の主演を務めるのは、女優のエマ・ワトソンです。大人気映画シリーズ『ハリーポッター』でスターとなり、数々の話題作品に出演をしているエマ・ワトソン。本作では、世界一有名なSNSの企業に就職をする女性・メイを演じています。
『ザ・サークル』主要キャスト
『ザ・サークル』に出演するその他の主要キャストをご紹介します。
トム・ハンクス(イーモン・ベイリー役)
【名前】 トム・ハンクス
【生年月日】 1956年7月9日
【出身国】 アメリカ合衆国
【デビュー】 1979年
【主な出演作】 「フィラデルフィア」、「めぐり逢えたら」、「アポロ13」、「フォレストガンプ 一期一会」など
世界一のSNSの企業「サークル」の経営者を演じるのは、ハリウッドの名優トム・ハンクスです。サークルのシステムや監視カメラ、シーチェンジなどを活用し、個人情報を管理していく様を演じています。次第にメイと反発しあうシーンも見どころです。
ジョン・ボイエガ(タイ・ラフィート役)
【名前】 ジョン・ホイエガ
【生年月日】 1992年3月17日
【出身国】 イギリス
【デビュー】 2011年
【主な出演作】 「スターウォーズ」シリーズ、「デトロイト」など
サークルの共同創設者の1人であるタイを演じるのは、ジョン・ホイエガ。サークルの行き過ぎた情報管理に疑問を持ち、表舞台から姿を消しながらも裏でサークスの行動を探っていました。メイと協力してサークルの機密を暴く重要な役柄です。
エラー・コルトレーン(マーサー役)
【名前】 エラー・コルトレーン
【生年月日】 1994年8月27日
【出身国】 アメリカ合衆国
【デビュー】 2002年
【主な出演作】 「ラスト・ムービースター」、「ブラッド・マネー」など
メイの幼なじみ・マーサーを演じるのはエラー・コルトレーン。インテリアデザイナーであり、鹿を使ったデザインを行っています。メイがSNSにマーサーの作品を挙げたことで、「鹿殺し」と批判をされ、不運にも行き過ぎたユーザーによって惨事に巻き込まれてしまいます。
『ザ・サークル』あらすじ(ネタバレあり)
世界一のSNS企業と言われる「サークル社」。そんな憧れのサークル社に入社をしたメイは、とあることがキッカケとなり、カリスマ経営者ベイリーの目に留まります。そして、新サービスである「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢をされることに。
「シーチェンジ」のモデルケースとして、サークル社が開発をした超小型カメラにより、自身の生活を24時間公開することになったメイ。そんなメイには、あっという間に1000万人を超えるフォロワーが集まり、アイドル的な人気を博すことになります。
ある日メイは、幼なじみマーサーがデザインをする”鹿シャンデリア”をSNSにアップしてしまいます。そして、マーサーはユーザーからは”鹿殺し”という中傷を受けて、とんでもない事態に巻き込まれ・・・。
『ザ・サークル』①現代のSNS社会への警告にもとれる作品
最近では、ツイッターやFacebook、インスタグラムなどの大人気のSNSも人々の生活の一部となっており、まさにSNS社会とも言える状況が繰り広げられています。
SNSによって、自らの生活をオープンにする人々も増えていますが、オープンにしすぎることは必ずしも良い兆候とは言えません。自分のプライベートを公開することで、世界中の様々なフォロワーやユーザーを獲得し、交流を深めていくのは良いことです。しかし、あまりにオープンにしすぎることで、批判だけではなく、時には犯罪につながることだってあります。
この作品では、そんな自分の姿を公開しすぎる主人公に起こる、様々な問題や事件などを取り扱い、現代のSNS社会への風刺画とも言える作品に仕上がっています。
『ザ・サークル』考察②24時間監視をされるのは幸せか?
主人公のメイは、超小型カメラを付けて24時間監視をされるという状況をネットで公開しています。
つまり、自身のプライベートの時間を完全に放棄するわけです。ですが、メイは以前監視カメラによって海で命を助けられたということから、より好んでこの状態を受け入れます。
これによってメイは大多数のフォロワーを獲得し、カリスマ的な存在となっていくのですが、それと引き換えに大切な幼なじみのマーサーを亡くしてしまいました。
数多くの支持者を得ながらも、メイには自分のプライベートな時間は一切ありません。これほどまでして、メイは幸せになれるのでしょうか?最近では過剰なSNS公開によって、住所を特定されたり、子供の顔がバレたりして犯罪につながるケースだって後を絶ちません。
そんなプライベートをすべてさらけ出してしまうことは、悲劇を招く原因になるのではないでしょうか?
『ザ・サークル』考察③曖昧なラストシーンの意味は?(ネタバレあり)
ここからは、曖昧とも酷評のあったラストシーンの考察をしていきます。(ネタバレあり!)
SNS「トゥルーユー」の完全化により、すべての個人情報を支配できるようになったサークル社の幹部たち。これによって世界を独裁的に支配する悲劇的な未来を聞かされたメイでしたが・・・。
最後の社内発表会にてプレゼンターを務めたメイは、社内の機密事項を透明化するように促し、この情報を「トゥルーユー」にて一般公開してしまいます。
なぜ、メイはこのようなことをしたのか?
メイは、SNSによってプライバシーのない世界になったとしても、SNSの仕組みや使い方を守ることで裏表のない理想的な社会を作れると思ったのでしょう。
これによる、メイは親友を失うこととなりましたが、その代わりに数多くの支援者たち、そしてインフルエンサーとしての名誉や富を得ることができました。自分自身のプライバシーを完全に公開することに戸惑いのない彼女にとっては、一番幸せなことだったのでしょう。
ラストシーンでは、メイがカヤックに乗っているシーンが見られます。そばには2台のドローンが見えました。このことからも、メイは会社に残り、引き続きサークル社の幹部として新たな活躍をしていくことを暗示しているのではないでしょうか?
『ザ・サークル』小説との違いは?(ネタバレあり)
映画『ザ・サークル』では、原作の小説とはラストシーンが異なるようです。
映画では、メイはタイの助言を聞き入れてサークルの経営を透明化させてサークル社による独裁的な世界支配の恐れを避けることができました。
しかし、原作小説では、ベイリーの思想にメイが染まってしまい、タイの助言を聞くふりをしながらもタイの計画した「サークル社解体計画」をSNSで公開してしまいます。
そして、タイの計画をステントンとベイリーに打ち明けることで、サークル社による世界支配が予感するシーンで終わっています。
また、SNSで社会から押し出され、疲弊していくアニーの結末も小説版は異なるようです。映画では故郷のイギリスにもどり、平穏な生活を送る姿が見られたアニー。しかし、小説では過労によって昏睡状態になっていく様が見られました。
原作小説では、映画よりもずっとダークでディストピア社会の闇が押し寄せる様を辛口で表現している雰囲気が読み取れました。気になる方は、ぜひとも原作の小説もご一読してみてはいかがでしょうか?
『ザ・サークル』まとめ
映画「ザ・サークル」についてネタバレ付きで解説いたしました。
数多くのSNSが人々の生活に浸透する現代。そんなSNS社会の闇や風刺を見事に描写した本作品は、SNSの使い方や影響力を改めて考えさせられるものでした。
この作品によって、今後のSNSの在り方を今一度見直すチャンスになると良いですね!